僕のつゆ抜きチーズ牛丼
社畜の僕にとって昼ごはんはその日の気分を決める重要な指針だ。いわば1日の「ログポース」。
妥協は絶対に許されない。
さらに言えば今日は昼の仕事を終えた後、深夜1時から仕事が待ってる日。いつも以上にお昼ご飯選びは脳内で争い起きている。近くのマックか。。はたまた少し歩いたすき家か。。
悩んだ末、米が食いたいという理由で僕は少し遠いすき家に行くことにした。
10分ほど歩き、ようやくすき家に到着した。
すでに汗だくになっており、店内の空調が少し寒いな。。なんて考えてるうちに店員が注文を受けにくる。
そう、こいつが今回の俺の宿敵。
【女子大生黒崎】だ。
僕は子供みたいな笑顔で「チーズ牛丼特盛つゆ抜き!!!」と返事をした。
黒崎は無愛想に「うぃーす」みたいな返事をして注文を受けた。
僕「(なんだこの人。。すごいだるそうに接客してるなあ。。)」なんて思ったが、まあいい。何はともあれ俺はここにチーズ牛丼を食べに来ている。こんなばかを相手にしてる暇はない。。と思い心を落ち着かせた。
1分ほど待ち、黒崎がチーズ牛丼を持ってきた。
黒崎「おまたせしましたあ(超小声&くそだるvoice)」
そして急いで戻っていき、厨房で仲間と大声で話を再開する。僕は少しムッとしたが学生バイトなんてこんなものか。と納得し食事を始める。
そこで今回の時間が起こった。
「つゆ抜きじゃ……ない…?」
僕は昔すき家でバイトをしたことがある。
つゆ抜きがどんなものかなど一目瞭然だ。
冒頭にも話したが、僕にとって昼ごはんは1日の唯一の希望、オアシスなのだ。それを適当に作ったつゆ抜きチーズ牛丼に怒りを抑えることができなかった。
ただ、キレても仕方がない。俺は大人だ。
黒崎に言って変えて貰えば済む話だ。そう自分を納得させピンポンを押す。
ピーンポーン
気だるそうな黒崎がやってきて僕に「お茶っすか?」と言った。
俺は目の前のチーズ牛丼を手に取って黒崎の顔面に仙法チー牛螺旋丸を喰らわす寸前までいったが、脳内で瞬時に非暴力を説いたインド独立の父ガンジーの言葉を思い出す。
「弱き者は許すことが出来ない。許しは強き者の証だ。」
グッと堪え、そして冷静に「すみません、僕はつゆ抜きを頼んだのですがつゆが超入ってます。」
流石の俺も、黒崎は間違いを認めつゆ抜きにし忘れたことを認め謝罪すると心のどこかでは思っていた。
だが黒崎は違った。
「あー、肉からつゆでちゃうんですよねー。」
…は?
脳ミソがバグる。ん??そのつゆがないのがつゆ抜きだよな?あれ、違うか?ん??つゆ抜きってなんだ??
だが俺は瞬時に黒崎に切り返す。
「いや、そのつゆがないのがつゆ抜きでしょ?w」
その瞬間の俺の顔はまさに「ひろゆき」だった。
勝った。。
流石の黒崎もこれで謝ってくれる。でなければこの世に性善説など消える。と俺は思った。
黒崎「あー、じゃあ交換しましょうか?ww」
その瞬間俺は沸点が18467043℃に達し黒崎に
チー牛螺旋丸を喰らわした後警察を呼ばれ拘置所との面会で母親が号泣してる画まで想像した。
耐えろ。。ここは俺が大人になれ。。。
そして半泣きで「いや。。いい…です。」とだけ答えた。
黒崎「あ、はい。。(んだよこいつめんどくせえな)」
悔しさのあまり味が全くわからない状態でチーズ牛丼を完食しお会計を済ませ店を出た。
俺は惨めだった。
俺よりも明らかな年下の女子大生になめられ、今頃店内で俺のあだ名が「つゆ抜きマン」になってると思うと涙が止まらなかった。
みんなもすき家に行く時は充分注意してくれ。。
俺のようになるな。。。